北村建築設計事務所

家づくりの話

床下エアコン暖房

竣工後、初めての冬を迎えた「桜並木の家」
寒さも本格的になってきました先週末、暖房の様子を拝見しに行ってきました。

「桜並木の家」では、建主Mさんの提案で、床下に普通の壁掛けエアコンを設置する、床下エアコン暖房方式を行っています。
「床下暖房」とは、基礎断熱した床下空間を暖めて、床面を室温より0.5〜2℃高い温度に保ち、同時に床面に設けたガラリを利用して、ゆるやかな自然対流によって室内の空気を暖める方式です。

今回暖房機に採用した壁掛けエアコンは、最近では熱効率も向上し、安価な深夜電力を利用して、基礎のコンクリートに蓄熱することで、イニシャルコスト、ランニングコストとも押さえられる方法として注目されています。
「床下暖房」の一番のメリットは床面の温度が室温より約0.5〜2度高く、輻射熱で心地よく感じること。
お伺いした日の外気温は0度と厳しいにもかかわらず、家全体の温度ムラも無く、空気の動きがほとんど感じられないので、とても心地良く感じられました。

家中が均一な暖かさなので、冬場でも行動範囲が制限されない点も小さな家づくりでの大きな利点ではないでしょうか。
また、床面も室温よりわずかに高い程度ですので、床暖房のように温度が高すぎて不快な感じもなく、非常に快適。

気になるランニングコストですが、まだ一年を通したデータがないのでなんとも言えませんが、今の段階ではかなり良い結果が出ているようです。
暖房方式を考える場合、とかくランニングコストばかりが判断基準になってしまいますが、一番大切なのは、いかに心地良いかということ。
その点、輻射熱を利用した「床下暖房」は予想以上の快適さでした。

床下放熱暖房一階室温は約22度、湿度35〜40%
一階床面放射温度は家中23度で安定していました。
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スリットのある床下に壁掛けエアコンが設置されています。

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