北村建築設計事務所

キタムラセッケイBlog

J君の質問

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基礎工事中の「縣の家」

ご近所に住む建主さんのお子さんJ君は現場が気になるようで、かなり頻繁に現場監理してくれます。

先日のコンクリート打設前にはいくつか質疑をもらいましたので、ご返事させていただきました。

J君からの質問

① 配筋の下の山になっているのはコンクリートか?土か?

配筋の下の山になっているのは土です。
正確に言うと、基礎の外周部のみ基礎が深くなっています。
凍結深度といって、寒い地域は冬場は土が凍るので、浅い基礎だと基礎の下の土が凍結融解(凍ったり溶けたりする事)を繰り返して、家が傾いてしまいます。
そのため、松本市の場合は地盤から40センチ以上深いところまで基礎を作らないといけない決まりがあります。(軽井沢は寒いので70センチくらいです)
建物の中心部は地熱の影響で凍る心配が無いので、基礎は浅くなっていて土が山になっているように見えています。

② なぜビニールの覆いをかぶせているのか?

防湿シートといって、地盤の湿気を建物(床下)に侵入させないためのものです。
また、コンクリートはセメントと砂利、砂と水を混ぜてつくります。
この配合がとても大切で、基礎の強さと耐久性に関係しています。
土の上に直接コンクリートを流すと、水分だけ土にしみ込んで、コンクリートの配合が変化してしまいます。
ビニールはこれを避けるためのもので、とても大切な材料です。

③ ビニールが汗をかいているが大丈夫か?

汗をかいているという事は、土の湿気をちゃんとブロックしている証拠なので、問題無しです。

④ こんなに小さくて部屋ができるのか?

物の大きさは不思議なもので、見る場所によって大きさの感覚が変化します。
試しに家の中で物差しで2m計ってみます。
何も無い広場で想像で2mぐらいの線を書いてみます。
実際に計ると1.5mぐらいしかありません。
テレビで見る人が実際にあってみると驚く程大きい(小さい)のも同じ。

物の大きさは廻りの物と比較して認識しているので、比較対象物が変化すると大きさの感覚が変化してしまいます。

今は敷地には基礎しかないので、廻りの家や樹木が比較対象物なので、とっても小さく感じています。
これから、骨組みが出来、屋根が出来て、窓が出来ると、比較する物が少しづつ増えてくるので、実際の大きさの感覚に近づいて行きます。

J君の家は間違いなく図面通りで、J君の部屋も必ず出来上がりますので、御安心ください。

出来上がるとかなり大きな家になると思いますよ。

コンクリート打設後の夕方、今度は弟のK君から事務所に電話が入りました。

「おい、雨降りそうだけど大丈夫か?」

「コンクリートはセメントが水と水和反応して凝結して強度がでます。その後は水中においても強度は低下しない水硬性の物質です。夕方から少し雨が降るかも しれませんが、夕方までにはほぼ固まりますので、コンクリートの乾燥、強度には全く影響ありませんのでご安心ください。」